君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
…いつの間にか寝ていたようで、ガチャという音に、加えて冷たい風が暖かい車内に流れてきたので目が覚めた。
───バタン
次に音がして、隣を見ると、そこには江口さんはいなかった。
とりあえず、まだこの暖かい眠りから逃れたくなかったあたしは、目を閉じて江口さんを待つことにした。
───ガチャ
───ゴトンッ
───バタン
後ろのドア付近で、かなり騒がしく作業してるみたい。
何をしてるんだか、気になったけど、今のあたしは、片目を開けることさえ容易でなかったから、後で聞けばいいや、、と思っていた。