君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



…いつの間にか寝ていたようで、ガチャという音に、加えて冷たい風が暖かい車内に流れてきたので目が覚めた。


───バタン

次に音がして、隣を見ると、そこには江口さんはいなかった。


とりあえず、まだこの暖かい眠りから逃れたくなかったあたしは、目を閉じて江口さんを待つことにした。


───ガチャ

───ゴトンッ

───バタン


後ろのドア付近で、かなり騒がしく作業してるみたい。

何をしてるんだか、気になったけど、今のあたしは、片目を開けることさえ容易でなかったから、後で聞けばいいや、、と思っていた。



< 101 / 344 >

この作品をシェア

pagetop