君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



イライラしながら携帯をポケットに突っ込むあたしに、気付いていたのかいないのか、江口さんは車を道路脇に止めた。


「…どうしたの」

「はい?」

「何か、悪い知らせだったの?」

…なんで、江口さんがそんなに深刻な顔をしてるんだろうか。


「いや、嫌な内容に変わりはありませんが、知らせというわけでは、、、」

「じゃあ、どうしたの?言えない?」

…言う必要がないだけでしょ。


「元カレです」


「元カレ、、、」

「都合のいい日があったら知らせろ、という内容でしたが、あいにくあたしには、そんな都合はないと返したんです」

…以上、言わせんな。



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