君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



あたしのイライラは、ピークに達しようとしていた。

だから、何の罪も関係もない江口さんにまで、八つ当たりをしてしまっている。

それがわかっているのに、あたしはこの黒い感情を、混乱を、治めることができなかった。


「何で連絡先を知ってるのかもわかんないし、突然会いたいなんて言われても迷惑だし、そもそも他の男子との差が感じられないだのなんだの言って振ったのはあっちなのに!」

…あーあ、、、やっちゃった。

この沈黙。
これだから面倒なんだ、、、

男を相手するのも、自分を相手するのも。


気を遣うのは、面倒だ。




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