君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「会ってやれば?」

…は?!


今、あたしの話きいてました?
め、い、わ、く、って言ってたんですけど?


「今、俺に言ったこと、全部直接言った方がいいんじゃない?メールとか、面倒でしょ」

…まぁ、確かに。

頷くと、江口さんはハンドルに顔をつけて、あたしに微笑んだ。


「今ので、俺が引くとでも思った?」

「普通引きますよ」

「残念。俺、だてに自己中やってねぇから」

「なんですか、それ。全然残念じゃないんですけど」


顔を見合わせて笑った。



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