君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「どういう意味?」

「俺のこと、すぐに忘れたわけじゃ、、、ないよね?」


「おかげさまで、クリスマスという行事が嫌いになりましたが」

「良かった」

…は?何が良かったわけ?


「俺のこと、忘れられなかったんでしょ?」

…は?誰がそんな事言ったよ。


「信じてたよ、大槻も俺と同じ気持ちだって」

…は?勝手に信じるな、馬鹿か。


「なぁ、大槻、、、」


あたしの肩をそっと押す早坂。

よろけた背には、フェンス。


「…やり直さない?」


やたらに顔が近い。
囁くように、あたしの弱点である耳元に話し掛ける早坂。

…でも、今回は、鳥肌しかたたない。



< 126 / 344 >

この作品をシェア

pagetop