君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
いやに冷静なあたしの頭。
何がそうさせてるのかわからないけど、恐怖よりも呆れの方が頭の中をしめていた。
───ガシャン、、、
早坂は、後ろ向きのあたしをそのまま、フェンスに押しつけた。
両手は早坂の左手に抑えられていて、あたしは後ろを振り返ることが出来ない。
見えるのは、学校の裏山だけ。
こっち側は、丁度人からは死角ってことか、、、
「付き合おう」
「絶対イヤ」
「本気でヤるぞ、こら」
「すれば?付き合わないけど」
上等だ、と言って、早坂はあたしの制服のボタンを、慣れた手つきではずしはじめた。
後ろ向きで抑えてるのに、よくこんなことが出来るなぁと、逆に感心してしまった。