君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
「ゆっくり休みなさい」
店長の声がした。
あたしの頭はまだぼーっとしていて、頷けたかどうかもわからない。
カーテンの閉められた店内に、あたしの小さな泣き声と、片付けをするガチャガチャという音が響いていた。
ずっと美加が近くにいた、それは感じていた。
すると、店のドアが開いて、松島の声がした。
「電話してきた」
「ありがと、正樹」
2人の会話が途切れると、店内はまた静かになった。
あたしはその静けさに乗せられるように、レジ横に備え付けられているソファで、美加に寄りかかるようにして、目を閉じた。