君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



一度は離れたその温もりに、

江口さんのその胸に、

あたしはあたしを預けた。


つい4日前に出会っただけの、何も知らない男の人なのに、、、安心してしまった。

ただのスキンシップで、寄りかかると、あたしを受けとめて笑うだけだった江口さん。


でも、なんで。


今日に限って、強く抱きしめる。


こんな時に限って、あなたが震えてるのがわかる。


「ごめん、、、」

「な、んで」

「俺が行かせた」

「知ったように言わないでよ」

…あたしって、可愛くない。


「元カレなんだろ?」


頷くしか、出来ない。



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