君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「で、明に何かあったか聞いただけなのに、飛んできて抱き締めて?マフラー貸してくれる間柄になったわけ?」

…えっ?!


「あ、、、いや、違うよ」

「じゃあ何~?」


…あれは、あたしが早坂に会うことを知ってたから。

…あたしがマフラーを忘れてしまったことに気付いたから。


そう思わないと、今にも江口さんのところに行きたくなる。

甘えてしまうだろう。

…なんでだ?


「好き、なんじゃない?」

「はぁ?知り合って4日だよ」

「あり得るって!」


…違うよ、美加。

あたし達がこうやって触れ合えるのは、共感する過去があるからなんだよ。



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