君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



あたしは、昨日江口さんと一緒にいたところから、今日このときまでの一部始終を、時折はさまれる質問に答えながら美加に伝えた。


話を終えると、美加が急に抱きついてきた。


「こわかったんだねっ」

…ズビズビ~って、鼻をすする美加に笑えた。


「だから、江口さんはただ、責任を感じてるだけなの。自分があたしに行くように言ったから…最終的に決めたのはあたしなのにね」


「でも、それだけで駆け付ける?普通」

「江口さんだから、、、普通じゃないんだよ」

…きっと。たぶん、、、そうなんだよ。

半ば、あたし自身に言い聞かせるように、、、



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