君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
店長はオネエが入ってるからか、何でも話せちゃう不思議なオジサン。
だから、去年のあたしの出来事も知ってるし、今あたしがそういうのを進んで望まないことも知ってる。
だからびっくりしたんだ。
「じゃあ、一番忙しいクリスマスにシフトを入れない明ちゃんには、ビッシバシ働いてもらっちゃう!」
「はいはい、了解でーす」
更衣室に入って、制服を脱ぐと、自分のロッカーを開けて今度はこっちの制服をきる。
あたしは白黒でびしっと決まったこのユニフォームが似合うと、我ながら思う。
腰からのエプロンをつけてから、まっすぐで人より色素が薄くて長い髪をポニーテールにすると、あたしは接客に出た。