君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
12月30日、今日はお昼からのバイトだ。
昨日のことがあったので、正直1人では行きにくいと思っていたので、江口さんにお店までついてきてもらおうと思った。
「明っ!だれだれ、あの人」
「お母さん、今日休み?」
「そんなの今はどうでもいいでしょ!玄関掃除してたら、急に、明さんはいらっしゃいますか?なんて聞かれて、びっくりしたわよ」
「知り合いだよ」
「えっ、彼氏じゃないの」
「し、り、あ、い!行ってきます!」
…お母さん、何を期待してるんだか。
「おはようございます」
「おはよ。お迎えにあがりました」
2人して、クスっと笑って、あたしは差し出されたヘルメットをかぶる。
…バイクは寒そうだな。