君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



そういえば、マフラーを返してなかったことに、江口さんのバイクを見送った瞬間に気付いた。

…まぁ後でいいか、江口さんネックウォーマーしてたし。


あたしは、ロッカーに向かうと、制服に着替えた。

長い髪を、今日は2つ縛りにしてみる。

普段と違うけど、なんか少しだけ、女の子っぽくなったかな~…とか考えて。


…店に出るまで江口さんがいたら良かったのに、なんて思ったのは、ほんの一瞬。

それは気のせい、だと思う。


スタッフルームから出て、レジの隣に置いてあるドラムの置物を見る。

…よし、頑張ろ。



< 155 / 344 >

この作品をシェア

pagetop