君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
これだけの実力で、どうして有名じゃないんだろう…と言える程にうまかった。
歓声は止まらず、trapの人達は皆に丁寧にお辞儀をしていた。
あたしは、それを眺めながらふとドラムの人を見た。
すると、偶然か勘違いか、その人もこっちを見ていた。
あたしはすぐに目をそらすと、またカウンターに向かってグレープフルーツジュースを飲みはじめた。
会場は、満員だったのが、trapが終わったとたんに少なくなりはじめた。
trap目的だった人が多いらしいな…
大概見送りだろうなぁ…と思って、またぼーっとしていると、あたし1人だったカウンターに、男の人が1人、しかも何故かあたしの隣に座った。