君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



俺は弾かれたようにバイクから飛び降りた。

…ちくしょう!

不気味な笑いに歪む、おそらく明ちゃんの元カレだと思われる男の目が、俺を捕えたその瞬間…俺は拳を振り上げていた。


───バキィッ…!!!


普段は、例えどんなにムカついたとしても、ドラムを叩くこの腕を武器にしたりはしなかった。

それが俺のポリシーでもあったから。


でも、、、こいつだけは。

明ちゃんを深く傷ついたこいつだけは、、、


「…許さねぇ」

誰にも聞こえないような声で。



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