君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「てめぇ…っ」

男から、明ちゃんを引き剥がすと、俺の背後に逃がす。


「下がってろ、こいつだろ?」

「…うん」


「なんだよ、あんた。関係ないだろ」

明らかな部外者の介入に、怪訝な、そして苛立ちを抑えきれないかのように食い付いてくるクソガキ。

「悪かったな、それがあるんだよガキが」


俺が言っていいのか?

そんなこと、考えてる余裕もなかった。

勝手に口が動いた。

これこそ俺の本心。


「俺の女に手ぇ出すんじゃねぇ」


まぁ、願望だと言うことは、伏せておこうか。



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