君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



俺は、左の拳でさらなる一発を受け止めてから、今度は右の拳で早坂のみぞおちを真っ直ぐついた。


「うっ…」


「好きなのか?」

「は?」

「明のことが、好きか?」

「当たり前だろ!」


ひるんだ早坂を見下ろしながら、尋ねた。

「明の何が好きなんだ?」

「そりゃ、顔…うっ」


「顔」の一言を聞いた瞬間に、俺はもう一発、今度はわき腹へ。



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