君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「…んだよ!」

「顔か。んな気持ちで、好きだと言うのか」

「うるせぇな。そっちだってそうじゃねぇのか?」


ふざけんなよ。

「お前に明は渡さないし、俺は明の顔だけが好きなわけがない。」


さらにもう一発。

早坂はすでに、反撃することもできなさそうだ。


「さっさと行けよ、じゃねぇとてめぇ…二度と動けねぇくらいにすっぞ」


そこで初めて、自分の敗北に気が付いたのか、早坂はよろけながら俺に背を向けて逃げた。



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