君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



俺が後ろを向くと、明ちゃんは俯いたまま立ち尽くしていた。


「こわかったね、、、」


震えているのか、頷いているのか、明ちゃんの頭が小刻みに動いていた。

その頭に手を置くと、明ちゃんは迷いなく俺に抱きついた。


ここで、俺もやっと安心した。


明ちゃんを、守ることができたんだと、、、


「殴り合いなんて、どんだけ体力バカなんですか」


「んー、、、明ちゃんくらい」

松島から少し前に、明ちゃんが筋トレ趣味だと言っていたのを思い出した。


ポンポンと後頭部をたたく。

優しい、力で。

本当は、力強く引き寄せたいのだけど。



明、、、好きだ。



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