君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
# ten
大晦日…───
今あたしはお店でレジ打ち中。
今日も、しっかり江口さんに送って来てもらった。
「バイト終わったら、連絡してね」
「わかってます」
昨日の出来事から、あたしはすでに立ち直っていて、朝、江口さんが玄関に迎えにきたときはびっくりした。
問題は解決したように思えたし、もう送り迎えも必要ではなくなってしまったと思っていたから。
視界の斜め下に映る、金の置物…
お店のやわらかな光に反射して、今日も楽しそうにドラムを叩いている。
「江口さんみたい」