君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
…そうだった。
今日も送ってもらったのに、渡そうとカバンの中に入れておいたまま。
「また忘れたー」
頭を抱えるあたしに、美加が明るく言った。
「返してたらもう一度コーデ考えなきゃなんだから、あたしとしてはラッキーでしたっ」
髪型をセット…というか、美加的にお店のときのポニーテールがツボだったようで、今日もそれがいいとせがまれたから、そうしただけなんだけど。
そうして、美加の支度に移る。