君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



…さすがは年越しライブ。

「人、、、多いね?」

「かつてない盛況っぷりなんじゃない?」


最前列なんていけないな、と、諦めて列に加わると、不意に腕を引かれた。

「うわっ!美加…っ」

「きゃっ」

とっさに美加の服をつかんで、一緒に引きずられていく。

…シィーッ、と耳に響いて、抵抗はいらないと気付く。

そう。

振り仰げば、ハットとサングラスを身につけた…江口さんがいた。



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