君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



あたし達は、忙しそうに動き回るスタッフをただ立ち尽くして見ていた。

「そろそろ俺らも行かないと…」

大嶋さんがカツラをバサッとかぶった。

長い赤髪に自分の茶髪をうまく編み込んで目立たなくして、ポニーテールにした。

すごいなぁ、、、器用だ。



「おっせぇよ」

「すまない、ライブハウスの前の人だかりがひどくて」

「どこかのバンドメンバーだと思われて囲まれちゃったんですよ」

あぁー、、と江口さんの声。

と、、、誰だろ?



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