君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



暗いし、人混みだし、、、

正直、嫌いなこの空間で。

あたしが行き着いたのは、あの場所。


「何か飲む?」

「グレープフルーツジュース」


周りより落ち着いていて、ちょっと明るくて、踊る人々の目にも止まってないであろう、このカウンター。

…結局ここに落ち着くのか。

コトン…っと置かれたグレープフルーツジュースは、会場の暖房と人口密度のせいでほてった手や顔を冷やしてくれた。


「お嬢さん、1人?」

「いえ、、、友達と来てましたけど」

「ふっ、過去形?」

…なっ!



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