君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
「トウマ…ちょっといいか」
「あ、あぁ」
返事をしながら、トウマさんはちらっとサラさんを見た。
「あっ、どーぞどーぞ!あたしも明ちゃんと話したいの、ちょうど!」
…ホントかいな。
そんな声が、少なくとも向かい合う2人から聞こえた気がする。
「じゃあ、15分くらいで戻ってくるから」
と、トウマさん。
「ちゃんとここで大人しくしててね?」
と、江口さん。
頷いたあたしは、なにかおかしいことに気付いた。
「いつもしてますっ」
あたしの反応に笑って、江口さんはトウマさんと裏方へ入って行った。
ふと、取り残されたあたしとサラさんは、お互いに目を合わせると、、、照れたように笑った。