君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「トウマ…ちょっといいか」

「あ、あぁ」

返事をしながら、トウマさんはちらっとサラさんを見た。


「あっ、どーぞどーぞ!あたしも明ちゃんと話したいの、ちょうど!」

…ホントかいな。

そんな声が、少なくとも向かい合う2人から聞こえた気がする。


「じゃあ、15分くらいで戻ってくるから」

と、トウマさん。

「ちゃんとここで大人しくしててね?」

と、江口さん。

頷いたあたしは、なにかおかしいことに気付いた。

「いつもしてますっ」

あたしの反応に笑って、江口さんはトウマさんと裏方へ入って行った。


ふと、取り残されたあたしとサラさんは、お互いに目を合わせると、、、照れたように笑った。



< 265 / 344 >

この作品をシェア

pagetop