君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



相変わらず、カタカナとローマ字の多い口調が会場に響いていた。


「明ちゃんは、バンドが好きなの?」

「あ、いや…普段はあんまり。美加の彼氏が今日のゲストで…あと、招待されて…」

これが事実のはずなのに、なんか違うように感じていた。


「サラさんは?」

「あたしも、奏さんから招待されたの…あ、招待されたのはトウマなんだけど」

「あの…変なこと聞いちゃいますけど、、、お二人って付き合ってるんです…か?」

「え?!いや、やだ…違うよ~!そうなりたいのはあたしだけで、あれ?あたし今なんか言った?!」

「いや、なにも…あははっ!」

つい、笑ってしまった。

こんなに天然で可愛いのに、トウマさんはどうして好きにならないんだろ?



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