君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



って………!?

「と、と、trap?!」

あたしは驚いて顔をガバッっとあげた。

シーー…って、頭に乗っけていた手をあたしの口の前に持ってきた江口さん。


じゃあ、あのドラムの人って、、、

「でも、髪の毛…」

今思い出してみれば、あの人はオレンジ色の長髪だったし。

「あぁ、あれヅラね。あんな目立つ髪型、普段からやってたら精神的に無理」

ふと、足元の荷物をがさごそして、ちらっとあたしに見せてくれたのは、オレンジ色のカツラ。


「trapは帰ったんじゃないんすか?」

松島がニヤニヤしながら聞く。

「俺、人にベタベタされるの嫌だもん。普通に帰りたいし…明ちゃんにも声かけたかったし」



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