君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



楽屋に向かう間、美加がひたすらはなしかけてきていたような気がする。


あたしの頭の中では、これからなにを言おうか考えることしかできなかったけど。


「お疲れ様でーす」

美加の声が響く。

目の前には、江口さんがいた。
エグチさんじゃない…江口さん。


あたしは、なにも考えずに、ずかずかと江口さんの前に歩み進んだ。

「あの、、、っ」

「明ちゃん」

、、、?

「今日も聴いてくれて、ありがとう」



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