君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



一大事だ。

なに考えてるんだこのオトコ。


「起きろ自己中オトコ!またあたしを不機嫌にさせたいのか!」

つい、皆さんの目があることを忘れた…
やらかした。

あたしは、江口さんをバンバン音をたてて殴っていた座布団を放り投げ、全速力で美加の後ろに隠れた。


大嶋さんは、クックッと声を押し殺しているが、目は明らかに爆笑している。
キダさんとコバさんはほとんど初対面なのに…やばい。

「「…ぷっ」」

「あはははははは!!!」

キダさんはなんとか吹き出すところまででおさえられたみたいだけど、コバさんはこっちと江口さんを交互に指差しては爆笑しはじめた。

そこに大嶋さんも加わり、打ち上げ会場は二人の笑い声で溢れていた。


「やるな、明さん」

キダさんの微笑みも、あたしにはダメージにしかならなかった…



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