君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



ぼーっと、眺めてしまった。


すると、赤信号になったところで、江口さんもこちらに振り向く。

少し目を丸くして、少し微笑んで、、、

左手であたしの頬を軽く包んでから、、、


また視線を前に戻した。



────ドキ…

え?

今までたくさん、いらないほどスキンシップをとってきたはずだよね…どうして、こんなに心臓がうるさいの?


触れられた場所が、さっと火照る。


急に恥ずかしくなったあたしは、窓の外に顔を向けて、また目をとじた。



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