君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
江口さんは、ゆっくりあたしの方に目を向けた。
そして、そのまま固まってしまっていた。
「あの…何ですか?」
「あ、いや、服借りたんだと思って…」
「そうなんです、灯歌ちゃんに」
確かに、普段のあたしを知ってる人には違和感満載かもしれないよね…
おかしい、かな、、、?
「こういうタイプも…いいねぇ」
「え?」
「似合ってる。ってこと」
今回ばかりは、赤くなってしまうのは仕方ないと思う。ずるいよ、この人。
あたしはそのあと何も言えずに、黙々とゲレンデにいく支度を進めた。