君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
彼らの後ろから聞こえてきたのは、江口さんの声。
…少し、怒ってる?
「なにか、用?」
江口さんが首を傾げると、彼らは舌打ちとともに去っていった。
「俺が最初に声かけたときは、警戒心でトゲトゲしてたくせに」
別にトゲトゲしてたわけじゃないけど。
「…怒ってる?」
「…妬いただけ」
あぁ、この人は。
悔しいくらいに顔が熱くなる。
顎を右手に預けて、カフェのなかに視線をうつした。
「あれ、、、」