君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「さて、今日のプレゼンターは…?」


サラさんのよく通る可愛い声が、頭上から、そして目の前から響いてくる。

「さぁ、自己紹介をどうぞ!!!」

ん?
自然と立ち上がった江口さんの口の前に、マイクが添えられている。

ん?
それでいてこの人は、さらりとこなしてしまうんだね。


「江口奏です。学生兼趣味でバンド組んでます」

ここで流れてきたのは…少しだけドラムの主張が伝わる前奏だった。

「とりあえず、この曲聞いてください」



< 316 / 344 >

この作品をシェア

pagetop