君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
「さて、今日のプレゼンターは…?」
サラさんのよく通る可愛い声が、頭上から、そして目の前から響いてくる。
「さぁ、自己紹介をどうぞ!!!」
ん?
自然と立ち上がった江口さんの口の前に、マイクが添えられている。
ん?
それでいてこの人は、さらりとこなしてしまうんだね。
「江口奏です。学生兼趣味でバンド組んでます」
ここで流れてきたのは…少しだけドラムの主張が伝わる前奏だった。
「とりあえず、この曲聞いてください」