君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
# fourteen
その後のあたしは、ずっとスノボに集中していた。
転んでもソッコーで立ち上がり、奏の助けを借りなくていいように、奏の顔を近くで見なくても済むように。
「…怒ってる?」
まともに滑れるようになったので、また次回来ようと決め、帰り支度をし、最後に一言だけ、サラさんとトウマさんに挨拶をしようと、廊下である意味出待ちをしているとき、奏があたしの顔をのぞきこんだ。
あたしは、とっさに目をそらしてしまう。
…あ。またやっちゃった、、、かも。
早坂に言われたっけ。
キスをしないのはなんで?
恥ずかしいって気持ちは、相手にはわからないんだ。
言わなくちゃ。