君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



あたしの手を握って、ニッコリ笑うと、店長は言葉を続けた。


「あなた達スタッフは、みんな私のことわかってくれてるから、、、それで十分だよ」


ね?と首を傾げて、店長はあたしの手を引き、立たせてくれた。


「さっきのお客様には帰っていただいたから、もう忘れなさい!次よ、次。うちのスタッフは笑顔じゃないとね!」


頑張ってもらうわよ~!

なんて言いながら、店長は出ていった。

あたしも、よし!と気合いを入れて、また接客に向かった。



「あ、、、やっぱり」


そんな声がしたのは、あたしがまた忙しく注文をとりはじめてからで、あたしは全く気付くことができなかった。



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