君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「自己中って言われませんか~?!」

後ろから叫んでみる。
どうせこんなにうるさいバイクじゃあ、聞こえやしない。


バイクはそのまま、海辺へたどり着いた。

「降りよう」

ヘルメットと脱いでから、あたしの腕を取って走りだす。


「ちょっ………!」

「あ、さっきの質問だけど…」


うっ、聞こえてた?!

「よく人づてに聞くんだよね、思ってる本人から言われたのは初めてだ」

「そーですか、、、」

「だからね、上手くいかないんだいつも。たいがい向こうから好きだと寄って来るのに、今度こそ信じようと思ってもやっぱりダメなんだよね」

「そーですか、、、」



< 40 / 344 >

この作品をシェア

pagetop