君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
「自己中って言われませんか~?!」
後ろから叫んでみる。
どうせこんなにうるさいバイクじゃあ、聞こえやしない。
バイクはそのまま、海辺へたどり着いた。
「降りよう」
ヘルメットと脱いでから、あたしの腕を取って走りだす。
「ちょっ………!」
「あ、さっきの質問だけど…」
うっ、聞こえてた?!
「よく人づてに聞くんだよね、思ってる本人から言われたのは初めてだ」
「そーですか、、、」
「だからね、上手くいかないんだいつも。たいがい向こうから好きだと寄って来るのに、今度こそ信じようと思ってもやっぱりダメなんだよね」
「そーですか、、、」