君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
「なっ…?!」
江口さんは、あたしをくるりと回転させて、今度はあたしの背中に腕を回した。
さっきから、なんかひっつかれてませんか、あたし。
「さっき言ったでしょ、信じようと思っても、ダメなんだよ」
「はぁ」
「恥ずかしいことかもしれないんだけど、俺、女の子を信じられなくなっちゃってるんだ」
「ほぉ」
…のわりに、やけにスキンシップ多いですよね、江口さん。
「そういえばあたしも、ダメなんです、、、恋ができないって言うか…区別がつかないって言うか」
自分から、自分の頭を江口さんの胸に預けてみる。
嫌がる様子は無いから、いっか。