君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「いらっしゃいませ」


あの後、もう一度髪型を整えたあたしは、ホールにでて接客に精を出した。

その間に、店長は置物をちゃんとレジ横に置いてくれていた。
美加の言うとおり、白主体のお店の中に、チラッと映える感じ。

…よし、頑張ろう。


「スミマセン、お会計お願いします」

レジが空になってるじゃん!
広瀬さんはどこ行ったんだぁ~!

「はい、お待たせいたしました」

レジを打つときに、ちらりと目に入るドラムと、ゆらゆら揺れる人形…って言っていいのかな。

なんだかやる気倍増って感じ!


「お会計、2500円となります」


お客様を見送ったあと、広瀬さんが店の奥から現れた。



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