君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



カラカラ─と扉が開く音がした。

「いらっしゃいませ」


あたしは、他のお客様の注文をとっていたから、振り返ることはできなかったけど、スタッフの声でお客様が入ったことがわかった。


「あ、きたきた!こっちっす」

松島の声。

あぁ、お連れ様ですか。


「以上でよろしいですか?」

「えぇ」

「かしこまりました。お飲み物を先にお持ちいたしますので、少々お待ちください」


あたしは厨房に行く途中、チラッと松島達の席を見た。

連れの2人はどちらも男の人みたいだ。

…美加1人女の子なんて、かわいそうじゃないか。



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