君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて
とにかく、チャンスだと思った。
あきらは、確かに誰もが惚れてもおかしくないほどに良い奴だ。
ま、俺には愛しのハニー美加がいるから関係ないけど。
気に入ってる、ってだけしか聞いてなかったから、それがどういう意味合いなのかわからないけど、俺はそれでもノリノリで今日の準備にとりかかった。
当日、江口さんを誘いにK大に行った。
この辺の高校生なら、誰もが憧れてやまない大学に、俺は足を踏み入れるのである…と言っても門柱のところだけどな。
「あれ?正樹じゃん」
「あ、江口さんこんにちは!今日暇っすか?」