いつも傍には君が…。
「にしても…どうして
こんなに広いのかしら…。」
学園内は、無駄と
言っても良いほど広かった。
寮の前から中庭に
行くまでも広くて、
それに加えて中庭まで広い。
小さな家なら中庭に
建つんじゃないかしら?
中庭を一周したところで
出入口に近い木の下に
腰を下ろした。
「…ここは自然が沢山で
良いところね…。」
そよそよと風に吹かれ
木々たちが揺れるのを
見やりながらポツリと呟いた。
静かな空気に気分が安らぐ。
…そうか、ここの雰囲気は
家の周りに似てるんだ。
そう思いながら
木々に癒されていると
近くで人の足音が聞こえてきた。
ざくざくと芝生を踏む足音は
私の少し前で止まった。