いつも傍には君が…。
「…何してるの?」
低い男の声だった。
その声の主が気になって
チラリと一瞬声の方を向く。
一瞬だけ、
一瞬だけしか見てなかったのに
彼の不気味な雰囲気というか
どこか引き付けられるような
表情が目に入った。
その表情が、
目に焼き付いて離れなかった。
そっぽを向いたまま
別に、と一言だけ投げ掛けた。
そうすれば興味をなくして
居なくなってくれると
思ったからだ。
けれど、私の思いとは裏腹に
彼は私の傍に
もう何歩か近付いてきて
じっと目線を投げ掛けてきた。
目線を合わせなくても
痛い程分かる程の目線だった。
背中にチクチクと目線が刺さる。