いつも傍には君が…。
「ちょ、止めなさいよ!」
手で蝙蝠を振り払いながらも
彼に向かって
思いっきり怒鳴った。
けれど蝙蝠は振り払っても
すぐに戻ってくるし、
当の本人はその場に座り込んで
ニコニコと
この状況を眺めている。
彼の態度に
溜まる怒りを抑えながらも、
今の状況を考えてみる事にした。
このままでは考える事も
考えられないので
その場で屈み込み、
腕を交差させ
顔を庇うように前に出した。
それにつられて蝙蝠達も
私の位置に合わせて
集まってきた。
……うん。これなら少しは平気。
腕の隙間から見える彼を
少し、見据えながらも
状況を整理してみる事にした。