いつも傍には君が…。
……いつの間にか
彼が私から離れていた。
ご丁寧に剣を置いて。
邪魔になると判断したのだろう。
驚いたように目を見開きながら
渇いた笑いを浮かべている顔は
何処か滑稽な気がした。
思わずクスリと笑ってしまう。
これは…初めて優位に立てた
気持ちからかしら…?
「言ってなかったかしら?私、二刀流なの。」
そう、私は剣を二本持っていて
一本は絶対に見つからない場所に
隠していたのだ。
こういう時の為にね。
相手に警戒の視線を送りつつ
手を伸ばして、落ちている
剣をしっかりと掴み上げる。