いつも傍には君が…。


「…本気で…やらないと、ね。」


シュルリ。と
ネクタイを外す布の擦れる音、

その一瞬の合間に
彼は私の視線から消え
ネクタイだけが、ポトリと
儚く地面に落ちた。


思わず剣を構えて
辺りを見回すが何処にも居ない。


「どこにっ…!?……っ!!??」


焦りが声となり
それを隠せないまま居ると

突然、ぐわん、と視界が揺れる。

声にならない悲鳴が漏れ
視界がぼやける。

立っていられない程の衝撃。
力が入らなくて手から
剣が離れ、カランと虚しく響いた。



何…が…、起きたの…?



「君の負け。」



フラフラと安定しない
今にも倒れそうな足取りで、
痛みの原因となる箇所、
首を押さえながら
キッと声がした方を睨み付ける。



「後ろに居たとは気付かなかったわ…。」




「そりゃあ、気付かれないように
したからねぇ…。
油断してたからやりやすかったよ。」




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