いつも傍には君が…。



相手の皮肉も聞き終わらない内に、
立っていられなくなって
その場に倒れこんだ。

意識が朦朧とする。
相手の声も聞こえにくい。
……ただ、地面を伝って
足音だけが聞こえてくる。



「…やば……。
……こは…いっ………げる…。」


ノイズが入ったみたいに
途切れ途切れの声。
でも最後の言葉だけは
ハッキリと耳に届いた。


"またね。"

優しいけど冷たい、
けど何処か淋しそうな
そんな、声。



「…だ…じょ…ぶ……?
……い……い……おい!」




瞼が重い。
違う声に安心したのか
疲れが出たのか、
私はそのまま

意識を手放した─……。



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