いつも傍には君が…。


「おばあちゃん…。
続き、聞かせて?」


満面の笑みを浮かべながら
楽しそうに尋ねる
リリィの声でハッと我に返る。




「そうねぇ…。
じゃあ、続きを話そうか。」


今はこんな事を考えてはいけない。
悪い方へ考えたら
その通りになってしまう。

信じなければ、今を。



無意識に左手の指輪に触れる。
嫌な事、悪い事があると
つい、おまじないのように触れてしまう。


心の奥底で
いつも"彼"に頼っているのだ。




ふぅと深呼吸の様に
深く息を吐きだせば
いつも表情に戻り、

ゆっくり、ゆっくりと
話しだす─…。


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