幼なじみの甘い××。Good night baby★
歩きだしたハル兄の後ろを、てくてくとついて行く。
黙ったまま手を伸ばして、ジャケットの袖口をつかまえると、
「どした?」
振り向いたハル兄の眉が、きょとんと持ち上がる。
「……手」
「手?」
「……つながないの?」
「ああ、」
ふっ……と笑われて、さすがに自分の言葉に赤面した。
これじゃ、ホントに小学生以下だ。
「ほら、」
うつむいたあたしの手を、大きな手のひらが包み込む。
「ちっちぇな、眞緒の手」
顔を上げると、陽だまりみたいな笑顔がそこにあって。
そう言えば、
ハル兄の名前には「陽」って字が入ってたなぁ……なんて、ぼんやりと思った。