幼なじみの甘い××。Good night baby★
「話はそれだけ。あ、あたしと会ったことは陽斗には黙っておいてね? いろいろ心配かけるのもイヤだから。あなたもイヤでしょ?」
じゃあヨロシク、
そう言ってきびすを返した彼女だったけど。
「そう言えば、」
振り返った口元には、笑みが浮んでいた。
「あたしと陽斗のキス、見てたでしょ?」
「……え?」
「そういうことだから」
取り残されたあたしは、しばらく足が動かなかった。
北風が制服のスカートをはためかせても、冷たさを感じない。
彼女が消えた通りの向こうにぼんやりと目を向けたまま、
弱い街灯の下で、立ちつくすことしか出来なかった。