幼なじみの甘い××。Good night baby★



「バカ眞緒」


「……あ……え……?」



ぎゅっとされて。


中に乗り込んできたハル兄に、抱きしめられてるんだって気づく。



「オレのこと心配するヒマがあったら、ちゃんと勉強しろ」


「……ハル兄……?」


「返事は?」


「う、うん……」


「しばらく、こうしてやれねーけど……ちゃんと寝れるよな?」


「……うん」


「ひとりでも寝れるよな?」


「う、ん」





“……――お見送りの方は……”





発車を告げる、アナウンス。





……――ちゅ……





ほっぺの上で鳴った、リップ音。




音がした場所に、小さなぬくもりが残っているのを感じたのは……


片手で自分の口をおおったハル兄が、自嘲気味にほほ笑んでから。



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